2017年12月01日
今週の注目疾患 平成29年・47週(11月20日~11月26日)
【インフルエンザ】
2017 年第 47 週におけるインフルエンザの定点当たり患者報告数は 1.45(前週 0.94)となり、流 行開始の目安としている 1.00 超えた(図 1)。
県内 16 保健所(千葉市、船橋市および柏市含む) 別では、船橋市保健所(定点当たり 3.41)、香取保健所(同 2.33)、松戸保健所(同 2.28)が報告 数の多い上位 3 保健所となっており、16 保健所のうち 8 つの保健所で定点当たり 1.00 を超えて いる(図 2)。
近隣自治体における第 46 週の定点当たり報告数は、東京都(0.87)、神奈川県(0.74)、 埼玉県(1.10)となっており、全国レベルでは 0.77 であった。
報告の多い都道府県は、順に沖縄 県(4.10)、長崎県(3.31)、宮城県(1.87)、福井県(1.59)、石川県(1.58)、新潟県(1.42)、福 岡県(1.33)、宮城県(1.15)、埼玉県(1.10)、千葉県(0.94)であった。
全国における直近(第 42~46 週)のウイルス検出状況は、A 型インフルエンザウイルスにおいては A(H3)亜型と A (H1)pdm09 が同程度であった。第 47 週に県内定点医療機関から報告されたインフルエンザウ イルス迅速診断の結果ではおよそ 8 割が A 型となっている。
松戸保健所、市原保健所、船橋市保 健所、柏市保健所管内においては B 型による患者も比較的多く報告されている。
インフルエンザ罹患後、抗インフルエンザウイルス薬の種類や服薬の有無にかかわらず異常行動(急に走り出す、部屋から飛び出そうとする、ウロウロと歩き回る等)が出現するおそれがあり、異常行動に関連すると考えられる転落死も引き続き報告されていることから、罹患時の注意喚起の徹底が求められている。
厚生労働省はインフルエンザと診断され治療が開始された後、少なく とも 2 日間は、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮することを原則とする旨の 説明に加え、具体的な注意喚起として、
(1)高層階の住居においては、例えば、 ・玄関およびすべての窓の施錠を確実に行うこと(内鍵、補助鍵がある場合はその活用を含む。)
・ベランダに面していない部屋で療養を行なわせること ・窓に格子のある部屋がある場合にはその部屋で療養を行なわせること 等、小児・未成年者が容易に住居外に飛び出さない保護対策を講じることを医療関係者から患 者及び保護者に説明すること
(2)一戸建てに住んでいる場合は、例えば、(1)の内容のほか、できる限り1階で療養を行なわ せることを挙げている。
【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成29年11月29日更新)