2018年03月23日
今週の注目疾患 平成30年・11週(平成30年3月12日~平成30年3月18日)
【流行性角結膜炎】
千葉県において 2018 年第 11 週の流行性角結膜炎の定点当たり報告数は、定点当たり 0.59(人)であった。
報告の年齢群別内訳は、5 歳未満 3 例(15.0%)、5~9 歳 1 例(5.0%)、20 代 1 例(5.0%)、30 代 7 例(35.0%)、40 代 3 例(15.0%)、50 代 2 例(10.0%)、60 代 3 例(15.0%)であった。
第 11 週において報告の多い保健所管内は、習志野(2.0)、市川(1.3)、君津(1.0)、市原(1.0)となっている。
流行性角結膜炎は、一般に「はやり目」と呼ばれている感染症であり、アデノウイルス(8、19、37、53、54、56 型など)による疾患である。
夏場に多い疾患ではあるが、近年の発生動向は以前より季節変動が明確でなくなり、昨年は春先より多くの報告を認めた。
全国では過去 5 年間の同時期と比較し報告が多く推移しており、今後の動向に注意が必要である。
症状として感染すると 8~14 日の潜伏期を経て急に発症し、結膜の充血、眼瞼の浮腫や流涙、ときに耳の前のリンパ節の腫脹を伴う。
角膜に炎症が及ぶと透明度が低下し、角膜表面の小さな濁りが数か月から数年残ることがある。
結膜炎が出血性となり、出血性結膜炎(エンテロウイルス 70 型, コクサッキーウイルス A 群 24 型 変異株による)や咽頭結膜熱との鑑別を要することがある他、ヘルペスウイルスや、クラミジアによる眼疾患との鑑別が必要である。
両眼が感染しやすいが、初発眼の症状がより強いとされている。
年齢では 1~5 歳を中心とする小児から成人まで幅広い年齢層にみられる。
感染は、職場・学校や家庭などで、ウイルスにより汚染されたティッシュペーパー、タオル、洗面器やドアノブなどに触れるなどして生じる。感染予防の基本は接触感染予防の徹底であり、患者本人やその周囲の者はタオルや点眼液など目に接触するものは個人用とすることが重要である。
【インフルエンザ】
2018 年第 11 週に県内定点医療機関から報告されたインフルエンザの定点当たり報告数は 6.41(人)となり前週(9.77)より減少した。
県内全 16 保健所管内で定点当たり報告数 10 を下回った。
報告の多い保健所管内は香取(9.17)、君津(8.69)、印旛(8.54)、松戸(7.46)、船橋市(6.82)、習志野(6.50)、海匝(6.43)となっている。
第 11 週の年齢群別報告割合では、5~9 歳(20.6%、前週 22.8%)、10~14 歳(18.2%、前週 14.7%)、0~4 歳(15.4%、前週 18.3%)が多かった。
第 11 週の県内の小児科・インフルエンザ定点医療機関の協力による迅速診断結果 1,310 例の報告は、A 型 655 例(50.0%)、B 型 652例(49.8%)、A and B 型 0 例(0.0%)、A or B 型 3 例(0.2%)であった。報告数は A 型、B 型ともに前週より減少した。
【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成30年3月22日更新)