2018年11月30日
今週の注目疾患 平成30年・47週(2018/11/19~2018/11/25)
【風しん】
2018 年第 47 週に県内医療機関から 17 例の風しんの届出があった。
第 27 週から続く風しんの届出において、週当たりの届出数は依然多く、2018 年の累計は 327 例となった。
第 27 週以降に届け出られた 324 例について、性別は男性 265 例(81.8%)、女性 59 例(18.2%)である。
男性は 40 代(105 例)の届出が最も多く、次いで 50 代(68 例)、30 代(43 例)、20 代(40 例)と続く。
女性は 20 代(24 例)、50 代(12 例)が多い。
ワクチン接種歴は 1 回(14 例)、2 回(4 例)、無し(75 例)、不明(231 例)であった。
流行の継続により、妊婦の風しんウイルス感染のリスクは高まる。
先天性風しん症候群の発生防止のため、特に、妊娠を希望される女性や抗体を保有しない妊婦と同居されている方、妊婦と接触する機会の多い方(医療従事者等)で、予防接種を必要回数受けていない場合は、かかりつけ医などに相談の上、抗体検査や予防接種を検討しましょう。
なお、風しんの予防接種を受けていない方は、麻しんの予防接種も未実施の可能性が高いことから、麻しん風しん混合ワクチン(MR ワクチン)の接種を検討しましょう。
【つつが虫病】
2018年第47週に県内医療機関から6例のつつが虫病の届出を認めた。
つつが虫病の典型的な症例では、つつが虫に刺咬された後、5~14日の潜伏期を経て39℃以上の高熱を伴って発症し、皮膚に刺し口と体幹部を中心に発疹が見られるようになる。
県内ではつつが虫病は特に11月、次いで12月に多くの発生があり、年が明けてからも患者発生を認めることがある。
2018年は第47週までに14例のつつが虫病の届出があるが、5例が2018年第1~4週の届出例であり、第5~42週の間に届出はなく、そして9例が第43~47週の間の届出例である。
14例のうち感染推定地域の記載のあった12例について、推定感染地域は館山市4例、勝浦市2例、大多喜町2例、南房総市1例、いすみ市1例、鋸南町1例、茂原市/八街市1例となっており、これまで同様房総半島南部を推定感染地とする届出例が多い。
ただし、つつが虫病はこれまで北総や東葛地域でも発生がみられており、また国外を推定感染地域とする症例の届出もある。
つつが虫病の予防には、農作業や山野などに入るときには皮膚を露出しないように長袖・長ズボンを着用し、ダニ忌避剤の適切な利用や、帰宅後の入浴・衣類の着替えといったことが推奨される。
【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成30年11月28日更新)