2022年 第 26 週 ~手足口病・ヘルパンギーナ~

2022年07月08日

2022年 第 26 週(2022/6/27~2022/7/3)

【今週の注目疾患】
■手足口病・ヘルパンギーナ
 2022 年第 26 週に県内定点医療機関から報告された手足口病の定点当たり報告数は、20 週から7 週連続で増加し、3.63(人)であった。
第 26 週に報告された 465 例の患者のうち、年齢別では1 歳が最も多く 181 例(39%)、次いで 2 歳 132 例(28%)、3 歳 51 例(11%)であり、5 歳以下が 95%以上を占めた。
発生報告が多かった地域は、印旛 8.13(人)、船橋市 7.44(人)、柏市 6.56(人)保健所管内であった。
5 保健所管内(印旛、船橋市、柏市、香取、松戸)で警報開始の基準値である 5.0 をこえており、更なる感染拡大に留意する必要がある。

 2022 年第 26 週の県内定点医療機関から報告されたヘルパンギーナの定点当たり報告数は、2週連続で増加し、0.83(人)であった。
第 26 週に報告された 106 例の患者のうち、年齢別では 2歳が最も多く 34 例(32%)、次いで 1 歳 24 例(23%)、3 歳 22 例(21%)であった。
発生報告が多かった地域は、船橋市 2.56(人)、印旛 2.50 (人)、市川 1.64(人)保健所管内であった。
新型コロナウイルス感染症流行以降の 2020 年、2021 年は大きなピークを迎えることなく低調に推移したが、2022 年は 6 月中旬から増加をはじめ、新型コロナウイルス感染症流行以前の 2018 年、2019 年と同様の傾向を示していることから、今後の発生動向に注意が必要である。

 手足口病は、口腔粘膜および手や足などに現れる水疱性の発疹を主症状とした急性ウイルス感染症である。
エンテロウイルス(コクサッキーウイルス A 群 6,16、エンテロウイルス 71 など)が原因ウイルスとなる 1)。

 ヘルパンギーナは、発熱と口腔粘膜にあらわれる水疱性の発疹を特徴とした急性ウイルス性咽頭炎である。
エンテロウイルス(コクサッキーウイルス A 群 2,3,4,5,6,10、コクサッキーウイルス B 群、エコーウイルスなど)が原因ウイルスとなる 2)。

 手足口病の臨床症状は、3~5 日の潜伏期を経て、口腔粘膜、手掌、足底や足背などの四肢末端に 2~3mm の水疱性発疹が出現する。
時に肘、膝、臀部などに出現することもある。
口腔粘膜では小潰瘍を形成することもある。
発熱は約 3 分の 1 にみられるが軽度であり、38℃以下のことがほとんどである。
通常は 3~7 日の経過で消退し、水疱が痂疲を形成することはない。
基本的に予後良好な疾患であるが、急性髄膜炎の合併が時に見られ、稀ではあるが急性脳炎を生ずることもある 1)。

 ヘルパンギーナの臨床症状は、2~4 日の潜伏期を経て、突然の発熱に続いて咽頭痛が出現し、咽頭粘膜の発赤が顕著となり、口腔内に直径1~2mm、場合により大きいものでは 5mm ほどの紅暈に囲まれた小水疱が出現する。
やがて小水疱は破れ、浅い潰瘍を形成し、疼痛を伴う。
発熱については 2~4 日間程度で解熱し、それに遅れて粘膜疹も消失する。
ヘルパンギーナの場合も基本的に予後は良好であるが、無菌性髄膜炎、急性心筋炎などを合併することがある 2)。

 エンテロウイルスの宿主は人だけであり、感染経路は便中に排泄されたウイルスによる経口感染と飛沫感染である。
便中へのウイルスの排泄は長期間にわたり、症状が消失した患者も 2~4 週間にわたり感染源になり得る。
予防としては、接触予防策、飛沫予防策が重要である。
手洗いの励行は重要であり、特に排便後・排泄物の処理後の流水と石けんによる手洗いを徹底する 1,2)。

■参考
1)国立感染症研究所:手足口病とは
>>詳細はこちら
2)国立感染症研究所:ヘルパンギーナとは
>>詳細はこちら

【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和4(2022)年7月6日更新)

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