2021年 第 1 週  ~ 後天性免疫不全症候群~

2021年01月15日

今週の注目疾患   2021年 1週(2021/1/4~2021/1/10)
【今週の注目疾患】

【後天性免疫不全症候群】
 2020年に県内医療機関から届け出られた後天性免疫不全症候群は、36例であった。
内訳は男性29例(年齢中央値34歳)、女性7例(年齢中央値42歳)であり、診断時病型について、男性はAIDS9例、無症候性キャリア17例、その他3例であり、女性はAIDS5例、無症候性キャリア2例であった。
推定される感染経路は、男性は性的接触19例(異性間4例、同性間13例、異性・同性間1例、異性・同性間不明1例)、不明10例であり、女性は性的接触3例(異性間2例、同性間1例)、不明4例であった。
14例のAIDS患者において記載のあった指標疾患(重複あり)は、真菌症(カンジダ症2例、クリプトコッカス症2例、ニューモシスティス肺炎8例)、ウイルス感染症(サイトメガロウイルス感染症2例)、腫瘍(原発性脳リンパ腫1例)、その他2例であった。
 後天性免疫不全症候群の届出は2015年以降で最小となり、また届出に占めるAIDS患者も年々減少を示してきたが、2020年はAIDS患者の届出数、および届出に占めるAIDS患者の割合も前年の26.8%から38.9%に増加した。
また昨年同様、女性は診断時に既にAIDSである割合が高く(2019年4例中4例、2020年7例中5例)、引き続き発生動向を注視していく必要がある。
 本症に関しては早期診断の推進が重要であり、個別のHIV感染者において感染から診断までに要した時間の推定に資する情報や、より客観性の高い情報の収集を目的とし、2019 年から「後天性免疫不全症候群」の発生届に「CD4 値」の項目が追加された。
HIV 感染後のCD4の減衰速度は個人差があるため、個人の感染期間に関する直接的な指標とはならないものの、集団レベルで把握することで発生動向分析においては非常に有用な情報と考えられている。
 2019年と2020年に届け出られた計77例の症例のうち、42例についてCD4値の記載があり、AIDS 患者では多くが200個/mm3 未満であった。
また無症候性キャリアではCD4値にばらつきが見られたが、記載のあったうちの3分の1は200個/mm3 未満であった。
CD4 値については、届出時点では検査中といった理由によって不明なことも考えられるため、情報の追加収集を図り、後天性免疫不全症候群のより精度の高い発生動向・早期診断推進度合いの把握のため、診断時のCD4値の長期的な把握・多角的な分析を実施していくことが重要である。

参考・引用
国立感染症研究所 IASR:エイズ発生動向調査における診断時CD4 数の把握とその活用
>>詳細はこちら


【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和3(2021)年1月13日更新)

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