2018年03月02日

今週の注目疾患   平成30年・8週(平成30年2月19日~平成30年2月25日)

【インフルエンザ】
2018 年第 8 週に県内定点医療機関から報告されたインフルエンザの定点当たり報告数は 22.12(人)となり前週(28.85)より減少した。
報告は県内 16 保健所管内(千葉市、船橋市および柏市含む)のうち 15 保健所管内で前週より減少した。
海匝(29.71)、香取(29.67)、印旛(28.63)、松戸(25.13)、夷隅(23.80)、市原(23.64)、習志野(23.44)、君津(23.31)、船橋市(22.35)において県レベルの報告数(22.12)を超えている。
第 8 週の年齢群別報告割合では、5~9 歳(28.3%、前週 26.2%)、0~4 歳(17.1%、前週 16.6%)、10~14 歳(13.0%、前週 16.4%)が多かった。
第 8 週の県内の小児科・インフルエンザ定点医療機関の協力による迅速診断結果 4,520 例の報告は、A 型 1,142 例(25.3%)、B 型 3,342 例(73.9%)、A and B 型 4 例
(0.1%)、A or B 型 32 例(0.7%)であった。A 型、B 型ともに報告は前週より減少した。

【A 型肝炎】
県内における A 型肝炎の届出は 2013 年以降増加傾向にあり、2018 年は第 8 週までに 4 例の届出を認める。
A 型肝炎の感染経路は、A 型肝炎ウイルス(HAV)に汚染された食品・水を接種することによる経口感染、また性的接触等の直接の接触による糞口感染であり、潜伏期間は 2~6 週と長い。
ウイルスは感染後約 1 週間~発症後数ヶ月まで長期に便中に排出される。症状は発熱、全身倦怠感、食欲不振、腹痛、嘔吐などにつづき、黄疸や肝腫大が出現する。
劇症化や死亡は稀で、通常慢性化することはなく、発症して 2~3 ヶ月で回復する。
6 歳未満の小児は感染しても多くは症状を呈さず、発症しても黄疸を示さないことが多いとされる。
成人は黄疸を伴い発症することが多い。顕性・不顕性に関わらず、一度感染すると終生免疫が得られる。
HAV に対する抗体を持っていない場合、加齢とともに発症者の重症化の割合が増える。
現在の日本では HAV に対する抗体を持たない感受性者が大多数となっており、また重症化しやすい高齢者においても感受性者が増加している。
A 型肝炎流行の危惧は、以前より増していると考えられる。

【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成30年2月28日更新)