2017年11月13日

今週の注目疾患   平成29年・44週(10月30日~11月5日)

【インフルエンザ】
2017 年第 44 週の県内定点医療機関から報告されたインフルエンザは定点当たり 0.68 人であった。
インフルエンザ A(H1N1)pdm09 が出現した 2009/10 シーズンを除けば過去 10 年の同時期と比較し最も多く、定点当たり報告数 1.0 人を流行開始の目安としているが、報告数は第 41 週以降微増が続いており、まもなく流行入りと考えられる。
保健所単位では報告数のばらつきが大きいものの、既に定点当たり 1.0 人を超える地域も見られる(図)。
現時点での定点当たり報告数がそのシーズンの流行の大きさを示唆するわけではないが、今後の動向が注視される。
例外的な2009/10 シーズンを除いて、2007/08 シーズン以降、早い年には第 46 週に定点当たり 1.0 人を超え、第 50 週には注意報基準値の定点当たり 10.0 人、第 52 週に警報基準値の 30.0 人を超えた(表)。
流行開始となる定点当たり 1.0 人を超える週はシーズンにより多少前後するが、報告数がピークとなるのは例年第 4 週もしくは第 5 週あたりであった。
今シーズンこれまでのウイルス分離・検出状況は、シーズン開始(第 36 週)直後は A 型インフルエンザウイルスにおいては A(H3)亜型と A(H1)pdm09 亜型がほぼ同程度の割合で認められていたが、ここ数週は A(H3)亜型が主となっている。
B 型インフルエンザウイルスにおいてはこれまでのところ山形系統が主となっている。
予防としては基本的事項として、手洗いの励行、マスクの着用、人混みを避けること、適度な湿度(50%~60%)の確保等である。
ワクチンは①65 歳以上の高齢者、②60 歳以上 65 歳未満であって心臓、腎臓もしくは呼吸器の機能に、またはヒト免疫不全ウイルスにより免疫の機能に一定の障害を有する者に対しては定期接種の対象(市町村により実施期間や費用は異なる)となっており、その他の年齢では任意接種となる。
インフルエンザワクチンの有効性( Vaccineeffectiveness;VE)は、そのシーズンの流行株とワクチン株の抗原性の一致・不一致にも影響を受けるが、感染者において一定の発病予防の効果、また重症化予防に対する効果が認められている。

【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成29年11月8日更新)