2017年08月25日

今週の注目疾患   平成29年・33週(8月14日~8月20日)

【腸管出血性大腸菌感染症】
2017 年第 33 週に県内医療機関から 26 例の腸管出血性大腸菌感染症が診断・届出られた。
第32 週にも 16 例が届出られており、8 月に入り腸管出血性大腸菌感染症の届出が急増し(図 1)、3 例の HUS 発症例(届出時点)も認めている。
2017 年第 32 週以降は、O157 VT2 による症例が67%(28 例)を占めている。
県内における O157 VT2 による腸管出血性大腸菌感染症の届出は、第 31 週に 1 例の届出を認めるまで、第 23 週以降、約 2 カ月間届出がなかったが、2017 年第 32
週に 11 例、33 週に 17 例の O157 VT2 による腸管出血性大腸菌感染症の届出があった(図 2)。
第 31 週以降に届出られた 29 例の O157 VT2 による症例をまとめると、患者 24 例、無症状病原体保有者 5 例となっており、無症状病原体保有者は接触者調査によって探知された症例である。
性別では男性 13 例、女性 16 例、年齢群別では 10 歳未満 1 例、10 代 7 例、20 代 6 例、30 代 5例、40 代 3 例、50 代 3 例、60 歳代以上 4 例となっており、特定の性・年齢群に集積は見られない。
保健所別では松戸保健所 9 例、柏市保健所 7 例、千葉市保健所 4 例、船橋市保健所 4 例、印旛保健所 2 例、野田保健所、習志野保健所、市原保健所それぞれ 1 例となっている。
なお、県外においても第 30 週以降、南関東の東京都、神奈川県と埼玉県から O157 VT2 による腸管出血性大腸菌感染症の届出が認められている。
詳しくは国立感染症研究所や各自治体の地方感染症情報センターのホームページを参照されたい。
腸管出血性大腸菌感染症の予防には、平時より手洗いの励行、肉類は十分に加熱することや、野菜類は十分に洗浄し、調理時には交差汚染に注意が必要である。
また、腸管出血性大腸菌感染症は糞口感染によるヒトーヒト感染事例も多い。
子供や高齢者の健康状態にも注意を払い、下痢などの体調不良時にはプールや共同浴場などは避け、周囲へ感染を広げないことも重要である。

【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成29年8月23日更新)